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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

卒業生によるゼミ担当と現役教員との意見交換

7年前に始めたOBによるゼミ(学習アドバイザ制度)がだいぶ定着してきて,このたび大学の先生方とゼミ担当(主に若手弁護士)との意見交換会が昨日行われた。


少し上から目線で一言だけ感想をいうとすれば,65期以降くらいの若い意欲ある卒業生が頼もしく感じられる意見交換会だった。母校のためになんとかしたい,自分の受験時代の苦労を現役受験生にフィードバックしたい・・などのモチベーションが感じられる。こういう意欲のある若手に指導を受ける現役LS生は本当に恵まれている。だからこそ,合格後は,ふたたび母校のため,後輩のためにアドバイザとして還元してほしい。


率直に言って,今の自分の実力では,受験生のためになる具体的アドバイスができる立場にはない。答案を読んでみると,いろいろと突っ込みどころはあるものの,どれくらいの知識が受験生スタンダードなのか,受験生として現実的に可能な答案はどのレベルなのかなどということは,感覚が失われている。ありがたいことに,有能な後輩たちが,アドバイザ制度をサポートしてくれるので,私はそろそろ引き際を迎えている。


法科大学院別合格率というもっとも重要な指標において,もっとも好結果を出している母校においても,志願者が激減しているという厳しい現実がある。意見交換会では,どうやって受験者数を確保するかという話題にも及んだ。詳しくは書けないが,なかなかいいアイデアも出てきたのだけれど,多くは実現は難しいとのこと。そうやって各種のしがらみに縛られるうちに,全員沈んでしまうという事態になってしまいかねない。


法科大学院制度に関する議論に接すると,誰の方向を向いて議論しているのかわからなくなる。現在のこの危機状態(法曹志願者の激減)をなんとかしようという議論ではなく,予備試験がどうとか,予備校がどうとかという議論になってしまうのも残念。