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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

保育園に入りたい人は,まず保育園に預けてください

約3年ぶりの「子育て」ネタ。表題はおかしな日本語だけれど,これが現状である。


本日,認可保育所の内定通知が届いた。これで長女は4月から保育園に入れることになった。これで一件落着だけれど,保育園に入るまでの道のりは決して楽ではなかった。



..とあるように,1987人申し込んで,1119人(5割超!)が入れていないという現実。


保育園に入るためには,かなり研究が必要だった。よく言われる点数制。私が住んでいる区では,保育所の選考には,両親それぞれの就業状態等に応じた「基準指数」があり,その合計値によって選考される。最高点は,「週5日以上かつ一日7時間以上の就労を常態としている場合」いわゆる,フルタイムでの稼働で,これが20点*1。夫婦そろって40点。これがデフォルト。40点あっても選考をパスできるとは限らず,さらなる「調整」による加点がないと難しいと言われている。


調整点(プラスもマイナスもある)は様々な要素によって発生するが,同居人に介護が必要であるとか,ひとり親世帯であるといったものを除き,自分でなんとかできるものは,現実的には「児童を認可外保育園、家庭福祉員又は個人等(三親等以内の親族を除く)に預け、その対価を支払っている場合」*2しかない。これで+2点。


これは,認可外保育園あるいはベビーシッター(親族はNG)に対価を支払って預けている場合には,保育の必要性が高いという判断がなされて,有利に作用するというもの。言い換えれば,「(認可)保育園に入りたければ,まず(認可外)保育園に入ってらっしゃい」というわけだ。今のご時世,保育園選考時期より前に,認可外の保育園を見つけることだって容易ではない。現に,考えられるところすべてに問い合わせしたが,空きはゼロ。待機人数を聞いて気が遠くなるレベル(数名の保育園に数百名待機していたりする。)。


そうなると,2点を獲得するためには,保育所に申請する前に民間のベビーシッターに預けるしかない。


民間のベビーシッターに預けるとなると,経済的負担が大きくなる。加点されるためには,週3日,4時間以上預けていることが必要になる。つまり週12時間。民間のシッター会社の料金表によれば,2500円/時間くらいするから,週30,000円の負担になる。


1日4時間預けたところで,実際に仕事ができるかというと,通勤時間などを考えるとほぼ無理だろう。我が家では,生後3か月になったときから,妻が仕事に復帰し,1日9時間,週3日はベビーシッターに預けることになった。


こうしてもぎ取った2点。


漫然と育休を取っていたのでは,育休満了時に復帰できることはまったく保障されない。これが現実。

*1:ほかにも災害の場合,拘禁(受刑者等)の場合も20点満点が与えられる。

*2:実際に,この加点を得るには,「週3日以上かつ一日4時間以上お子さんを認可外保育施設等に預けていることが常態となっている場合」が必要だとされる。