Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

もっとアウトプットを

ロースクール生のゼミをやって7年目になる。これまでいろいろとゼミで気づいたことを書いてきた*1。今さら言い古されたことだけど,やっぱり受験生は全体的に書く量が足りてないのではないかと思う。


司法試験は,決められた時間内に答案を書かなければならない。いくら論点に気づいていても,一定の結論を導くための論理が浮かんでいても,それを採点者にわかりやすく伝わるように書ききらなければならない。アウトプットがすべてを決めるということは言うまでもない。


しかし,多くのロースクール生は,講義の予習をして,講義を受けて,それ以外の時間も教科書,教材,判例を読むなど,インプットにほとんどの時間を費やしている。もっと答案書かないと,という話をすると,「まだ圧倒的に知識不足で・・」「まずインプットを中心で,アウトプットは・・」「書く機会がない」などという回答が来る。


インプットとアウトプットは,できるだけ並行して進めたほうがよいと思う。知識が足りてないときでも,論理的な思考力がないわけではないから,答案は書けるはず。手書きで,時間内に書く練習は後に取っておいてもいい。書いてみないと,自分のダメさ加減にも気づくことができない。ロースクールが用意してくれる機会は,半年に一度(中間試験をやったりレポートを課すところは,もう少し増えるけれど)だけで,それだけでは圧倒的に足りない。ふだんインプットしているだけで,本番で突然うまく書けるようになるわけがない。


確かに,ひとりで答案を書くのは面倒くさいし,その結果の良しあしが自分では判断できないので,億劫なのもわかる。しかし,実戦不足は致命傷になりかねない。


受験直前に気づいても遅いので,なるべく早め早めに書く練習をしておきたいもの。