Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

1年目の挑戦が終わった

10月28日は,社団戦最終日。6月から始まった今シーズンもこれで終わり。


これまでときどき触れてきたけど,将棋KIDSのパパを中心に編成した「鰻支部」チーム。棋力的には,たとえ一番下の5部リーグとはいえ,戦えるレベルではないのだけれど,それぞれみんな忙しい合間を縫って独自の鍛錬(?)をしてきた。


私も,息子に「4級で勝てるわけがない」とバカにされながら,ここまでの通算成績は1勝10敗(不戦勝除く)。チームは,助っ人少年の力を借りながら何とか3勝9敗。5部リーグなので降級はないが,16チーム中14位。


何とか1日1勝を目標に,最終日に挑んだ。


1局目は先手。横歩取りから△8八角成とされて,よくわからない相横歩取りとなった。ひとつ間違えると一気に決着がつく戦型なので,一手一手緊張しながら進める。少しずつ悪いなと思いつつも,徐々に悪くなっていって下図。


ここで▲6九香と打った。家でこの手を見た長男はずっこけて,「△8八龍,▲同飛,△4九金で詰みじゃん」と言われ,凍った。


結局,馬が逃げてくれて,底に打った香が相手玉を直射することになり,最後は何とか命拾いして勝った。チームは惜しくも三勝四敗で負け。


感想戦で「定跡知らないでしょ」と言われ,「ハイ,知りませんでした。教えてください。」と教えを乞うた。まさか,その感想戦と同じ場面が同じ日に登場するとは思いもせず。


2局目は小学生相手。息子も知っている子で,明らかに力の差があり,簡単に負けた。


3局目。先手。泣いても笑っても今季最終戦。全敗覚悟で臨んだ初年度だけど,望外の2勝を挙げることができ,欲が出てきた。何としても,最後勝ちたい。


驚いたことに,また横歩取りから後手は相横歩取りを選択してきた。先ほど教えてもらったばかりの定跡手順をなぞったが,28手目でもうわからなくなった。そして迎えた38手目。この銀打ちが痛すぎて,次の手を15分くらい考えた(持ち時間は30分)。


金を逃げれば△4九飛。かといって,飛車打ちを防ぐ適当な手立てもない。迷った挙句,▲3六角と打って,金にひもをつけつつ,▲6三角成の一発逆転を狙う。


その後,△4九飛,▲6八玉(ここは逃げるなら5八でしょ,と指摘された),△8九飛成で,桂を取られながら8二の馬に当てられたが,詰めろではない。そこで▲6三角成,△4二玉,▲5五馬と,龍から逃げつつ,詰めろを続けた(45手)。


ここは,△5二桂ならばまだまだ難しかったようだけれど,相手のうっかりもあって,▲4一飛で勝ち。これまで1勝10敗だったのに,最終日は2勝,しかもいずれも相横歩取りという異常事態となった。


チームの通算成績は4勝11敗に終わったが,5部とはいえ,ここまで来れたのはメンバー一同,大感激。来年は,助っ人少年抜きで戦おう,ということを決意して打ち上げ終了。


最後に,鰻チームの皆様,会場で声をかけてくれた先生方,他チームの皆様,応援に来てくれた方々,本当にどうもありがとうございました。やっぱり,将棋は観るのも,読むのも,解くのも面白いけれど,実戦が一番だということがわかりました。