Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

外国人日本語教師の方と

外国人日本語教師の方に「日本人の仕事」について話す機会をいただいた。


高校時代の友人が,国際交流基金日本語国際センターに勤めていて,外国人の日本語教師向けのトレーニングをしている。何気なくmixiの書き込みを見つけてやり取りしたことがきっかけだった。彼の担当している科目で,ゲストを呼んで,日本人の仕事を紹介し,社会,文化,言語の理解を深めるというものがあり,声をかけてもらった。実際に再会したのは20年ぶりくらいだったと思う。


20数か国から来た30名ほどの若手日本語教師が小グループに分かれて,6人のゲストの話をローテーションで聞くという企画で,私のほかにもボランティア等の社会活動をしている人,社長さん,サラリーマンなどが集まった。


私のテーマは,「日本の弁護士」という少々硬いテーマで,難しい単語も使わざるを得ないし,各セッションは質疑含めて30分だったので,なかなかやりにくいかなと思ったけれど,参加者の方々の意識と,日本語理解能力がすばらしく,私自身が大変勉強になった。


どうしてもこの業界にいると,法曹養成制度変更の問題点とか,法曹人口の問題とか,負の部分に触れたくなるが,そこの大部分は捨象して,「みなさんの国での弁護士ってどんなイメージの人ですか」「よく弁護士に相談しますか」とか,「サラリーマンやめて弁護士になろうっていうのは一大決心だったんですよね」とか,そういう軽めの話題にとどめた。


各セッションは10名弱程度で,それを2回行ったが,驚いたことに,出身国の弁護士資格を有している方も2名いて,自国の制度との違いに触れながら法曹養成制度について質問してきたり,クライアントとの関係構築について質問して来たりするなど,好奇心も旺盛で,レベルの高い質問が出て,正直,驚いた。質問が途切れることはなく,いずれのセッションも時間オーバーとなってしまったのは残念だった。


日本語を話せる外国人を増やそうという試みは大歓迎だし,これからのことを考えると,もっともっと大規模にやっていくべきだと感じた(この施設は,寮生で半年ほど滞在型で訓練するので,コストはかなりかかると思うけれど)。


そしてまた驚いたのは,同じくゲストとして参加していた方が,将棋好きで,社団戦にも出られており,将棋関係で共通の知り合いがいたこと。たまたま,プロフィールにひとこと「将棋」という単語を埋め込んであっただけで,そういう会話に発展したことで判明した。こういう縁があることも嬉しいもの。