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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

日本のいちばん長い日

ずっと前から読もうと思っていて放置してあった半藤一利氏の「日本のいちばん長い日」を読んだ。


決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)

決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)


とても有名なので,改めて説明するまでもないが,昭和20年8月15日をめぐる24時間を再現するノンフィクション。正確には,8月14日正午から,翌15日正午までの24時間。


この24時間を,1時間ずつの章に区切り,ポツダム宣言受諾を決定する御前会議の様子から,翌日の玉音放送までについて詳細に描かれている。断片的には知っていることもあったが,非常に勉強になる。


特に,阿南陸相の自刃や,終戦詔書を巡る文言のやり取り,玉音放送の録音に関する経緯,青年将校によるクーデター(未遂)と侍従たちの奮闘などは,手に汗握る。


「・・のいちばん長い日」というタイトルは,この本が嚆矢となったものかどうかはわからないが,将棋ファンには,A級順位戦最終日が「将棋界のいちばん長い日」として知られる。ただ,本作品を読むと,昭和20年8月15日という「いちばん長い日」は,あまりにも重く,なかなか気軽に使いにくいフレーズだなと感じた。


近いうちに,もう一度読みたいなと思った作品。