ずっと前から読もうと思っていて放置してあった半藤一利氏の「日本のいちばん長い日」を読んだ。
- 作者: 半藤一利
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 文庫
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とても有名なので,改めて説明するまでもないが,昭和20年8月15日をめぐる24時間を再現するノンフィクション。正確には,8月14日正午から,翌15日正午までの24時間。
この24時間を,1時間ずつの章に区切り,ポツダム宣言受諾を決定する御前会議の様子から,翌日の玉音放送までについて詳細に描かれている。断片的には知っていることもあったが,非常に勉強になる。
特に,阿南陸相の自刃や,終戦詔書を巡る文言のやり取り,玉音放送の録音に関する経緯,青年将校によるクーデター(未遂)と侍従たちの奮闘などは,手に汗握る。
「・・のいちばん長い日」というタイトルは,この本が嚆矢となったものかどうかはわからないが,将棋ファンには,A級順位戦最終日が「将棋界のいちばん長い日」として知られる。ただ,本作品を読むと,昭和20年8月15日という「いちばん長い日」は,あまりにも重く,なかなか気軽に使いにくいフレーズだなと感じた。
近いうちに,もう一度読みたいなと思った作品。