直木賞受賞作品の「下町ロケット」(池井戸潤)の感想を今さらながら。
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/11/24
- メディア: ハードカバー
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蒲田にある中小企業,佃製作所が,大手のナカシマ工業や,帝国重工相手に渡り合って,技術力と熱意で打ち負かす,という痛快なストーリー。話の結末が予想できるという点はあるが,現場の描写が具体的で臨場感があり,結末が予想できても,面白い。特許「使用」とか,特許「申請」とか,若干,残念な部分はあるが,そこはまあどうでもいい。
うちの事務所では,どちらかというと,大企業よりも,こうした中堅・中小企業のクライアントが多く,大企業が交渉,紛争の相手方になることも多い。そういうわけで,感情移入しながら読むことができた。
この小説に出てくる辣腕知財弁護士の神谷弁護士は,私のボスがモデルだと言われている。確かに池井戸氏からの取材などもあったようだし。
「西新橋の弁護士事務所ばっかり集まっているビル」とか,理系→メーカー研究職→弁理士→弁護士というキャリアは同じなので,モデルとなったといえばそうかもしれない。交渉,法廷での立ち振る舞いなど,具体的中身についての同一性については,ノーコメントということで。
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