Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

くだらないコラム

毎日新聞の6月21日付けコラムがTwitterで少々話題になったが,大新聞のコラムにしてはあまりに内容が薄っぺらいというか決め付けが多いというか。


http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20110621k0000m070134000c.html

(弁護士は)いないと困るが、できれば用なしに済ませたい脇役的存在。主役になるのは破産管財人の時くらいでいい。それが社会の健全性というものだろう。

に続いて,

とすると(略)、首相官邸中枢(枝野幸男仙谷由人正副官房長官)や政党党首(自民党谷垣禎一氏、公明党山口那津男氏、社民党福島瑞穂氏)が弁護士だらけの日本政界は、やはりどこか変なのだ。

とあるが,何が「とすると」なのかさっぱりわからない。


私も,(日本の)弁護士が政治家に向いているとまでは思わないが,上で名前が挙げられた政治家たちに問題があるとか,今の政界全体が問題だしても,それが「弁護士であるから」という理由がよくわからない。実際に政治家と弁護士は両立しにくい職業なので,弁護士登録をしつつも,長期間業務を行っていない政治家も多いだろうし。


結局のところ,コラムの筆者も書いているように,

正義と論理で世の中渡ってきた弁護士さんがなろうとしても、どこかに無理が出る気がする。

というレベルで,思いつきで弁護士という共通項が見つかったことから,「どこかに」「気がする」という感覚論を語っているように見える。この筆者のイメージにある弁護士は,いわゆる人権派で理想ばかりを語る人なんだろうな。


弁護士を「脇役的存在」として「できれば用なしに済ませたい」のならば,他方で法曹人口の拡大を声高に主張する必要もないのでは,と思うし。


しかし,こんなコラムを「共感できる」などとするブログもあったりするので,大新聞の影響力は大きいなと。