Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

大局観

羽生名人の最新著作(?)から。


相変わらず,羽生名人はスポーツやビジネス,歴史の例を上手に引いてきて将棋界の事象,考え方をわかりやすく説明するなあと感心する。ただ,何かが体系立てて書いてあるわけでもないので,インパクトとしては以前読んだ,


決断力 (角川oneテーマ21)

決断力 (角川oneテーマ21)


のほうがずいぶん大きかったと思う。「大局観」から取り上げるべき箇所としては,以前ツイートでも紹介したが,棋士のゲン担ぎというテーマの一節で,

ある時,A級にいる二人の棋士が,将棋会館のエレベーターに乗り合わせた。千駄ヶ谷にある将棋会館は,地上五階,地下一階の建物である。
二人の棋士のうち一人が,地下一階にある事務室に行こうとして,「B1」のボタンを押した。するとその瞬間,もう一人の棋士が血相を変えて叫んだ。
「きみが押したな!」
そこまでこだわらなくてもいいのに。

というくだり(165から166頁)。誰だろう(笑)。