Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

3時間弱の帰宅路

3/11の14:50ころに起きた東北での大地震。被害の全容はまだ全然わからないものの,報道されてくる断片的な事実を見るだけでも本当に心が痛む。


東北各地に比べれば東京は被害も揺れもたいしたことないのかもしれないが,最初の揺れを事務所(7階)内で感じたときは,ただ事でないと感じた。少なくとも今まで体験した中では最大の揺れだった。倒れそうになるキャビネットを手で支えつつ,揺れが収まるのを待つ。


まもなく妻とはメールで連絡が取れるが,子どもたちとは連絡が取れない。次男は保育園にいるから大丈夫だと思うが,長男はちょうど帰宅して道場へ向かうころなのかどうか。その日は特別に保育園は18時までで終わること,私がお迎えの当番だったので困ったことになった,と思った。


何度か余震が続いたが,落ち着いたころを見計らって,早めに帰宅することにした。地下鉄は動いていないことはわかっていたが,バスが動いているらしいという情報もあり,16:00ころに西新橋の事務所を出る。事務所を出ると外をひとがゾロゾロ歩いていた。


事務所を出ると運よく長男のケータイとつながる。自宅にいることを確認。たまたまその日は,家事代行の方に手伝いに来てもらっていたので,二人でいるということでさらに安心。その電話がつながるまでそんなことをすっかり忘れていた。


バスで渋谷まで行くことを考えたが,バス停に長蛇の列ができていたことや,見たところすぐに来る気配がなかったので,とりあえず歩く,歩く。タクシーも動いているが,まったくつかまる気配はなし。


渋谷まで来れば,あとはバスで一本で行ける。とにかく渋谷を目指して,17:30ころに渋谷に着く。ただ,246号線の渋滞がひどく,またバスターミナルの人の量が半端ないので,246沿いを歩きながら,途中からバスに乗ろうと判断する。


246沿いにはバスが数珠つなぎになっていて,徒歩よりも遅い。緊急車両がサイレンを鳴らすが,それでも徒歩と大して変わらない。18:00過ぎに三軒茶屋を通過し,フットサルのコーチ仲間のパン屋さんに寄って食料を調達(たくさんオマケしてもらった)。保育園には何度も何度も電話したが,一度もつながらなかった。


結局,事務所を出て約2時間40分後に子どもたちと再会。意外に早く着いた。本などはかなり散らかったが,食器類は無事で,家具も倒壊することはなく,被害は軽微だった。妻は帰宅困難者として地下鉄が復旧するまで戻れなかった。


今回は,被害も軽微だったということで,実践的な訓練になったといえる。事務所からは早足で歩けば3時間弱で家までたどり着けることが確認できた。しかし,固定電話も携帯電話もこういうときはほとんど使えなかった。携帯メールもかなり遅れて到着する。一番信頼が置けたのはTwitterだった。


普段,家族4人が日中バラバラにいると,いざというときは不安だなということを考えさせられる一日だった。