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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

2010年獲得賞金・対局料ベスト20

もう数日前の話になるが,将棋連盟から獲得賞金・対局料ベスト20が発表された。


http://www.shogi.or.jp/topics/2011/02/201020.html


三冠を維持し,竜王に挑戦した羽生名人が今年も唯一の1億円超で,13年連続17回目の1位だとか。2位の渡辺竜王(約6200万円)にほぼダブルスコアである。竜王戦の獲得賞金が約4000万円だから,竜王の賞金・対局料の3分の2は竜王戦で占められる。これもすごいこと。


王位のタイトルを失った深浦九段,新たに王位を獲得した広瀬王位の両名以外,ベスト10にはA級棋士が独占している。


棋士が160人くらいいる中で,ベスト20でギリギリ1000万円,ベスト10の広瀬王位で2000万円超というのは,昨年もほぼ同じ傾向だった。


http://d.hatena.ne.jp/redips/20100309/1268145787
http://www.shogi.or.jp/topics/2010/03/200920.html


将棋を指すだけで,年間1000万円以上もらえる,というのはある意味幸せなことかもしれない。しかし,1000万円稼ぐ棋士が限られている上に,現在の新聞社を中心とする各種棋戦の契約金が原資になるというスキームがこの先も長続きするとは思えない。だからこそ,最近の将棋連盟は,モバイル中継,電子版将棋世界など,新しい試みによって普及とマネタイズを試行錯誤しているのだろう。


ブログ,Twitterなどでの情報発信や,普及活動,新しい試みへの積極参加が,若い20代の棋士か,40代後半以降の棋士が中心に行われている一方で,羽生名人を中心とするいわゆるアラフォー世代の棋士にはあまり見られないのが気になる(私から見えてないだけかもしれないけれど)。確かに,トップ棋士たちにとっては,自らの研究,対局が第一で,それ以外は二の次というのもわかる気がするが,渡辺竜王,戸辺六段ら,若手の棋士が積極的に情報発信し,熱心に普及活動し,しかもガンガン勝っているところをみると,こういう若手を応援したくなるものだ。