Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

JT将棋日本シリーズ東京大会こども大会

昨日は,長男が題記の大会に出場し,低学年で優勝した。


この大会,過去最高のエントリがあり,低学年で約1000人。まず24人ひと組の予選ブロックの中で,3連勝した人だけが,決勝トーナメントへ進める。


予選ブロックの中には,倉敷王将戦で決勝戦を戦ったノブ君がいた。勝った者同士で対局が組まれていくので,予選で戦う可能性も出てくる。ただ,幸運なことに長男は,初戦,二戦目はいずれも30数手,20数手の2分以内で勝ち(本人談),早々に勝ち名乗りをあげた関係で,じっくり派のノブ君との対局は避けられた。そのまま3連勝で無事予選通過。この時点で,(約)ベスト128。


決勝トーナメントは,10分切れ負け。多数の対局をこなす関係から,時間制約は大きい。ここから先は,時間との戦いもある。


決勝トーナメントまでの時間がほとんどなく,おにぎりを一つ無理やり押し込んで指定された場所へ行く。トーナメントの1回戦,2回戦は比較的難なく勝ってベスト32。次の相手は,戸辺教室で一緒に研鑚する同じ2年生のリキ君。対局は見ていないが,無事ここも勝ってベスト16。ようやく昨年の結果を超えた。


ベスト16のところで少々トラブルが発生する。早々と勝ち抜いた長男と,2番目に勝ちぬいたO君(東京都倉敷相代表の2年生)が,まだ他の子が対局中に別の場所に移動させられて,対局を始めた。早く終わったから,ただの練習対局だと思っていたら,チェスクロックを使っている。O君とは,トーナメント表によれば,決勝に行かない限りあたらないはず。


O君パパと共に,スタッフに,「間違えているんじゃないですか?」と問い合わせたところ,「運営の手違いでベスト16の時点で,救済すべき子が1人おり,このままではベスト「9」になってしまう,だから,ひとりふるい落とすために,先に勝った二人で対局してもらって,負けた方にはベスト16で退場してもらうことにした」との説明。


こどもの大会運営に大人が口を出すことはしたくなかったし,今までもしたことはなかったけど,ちょっとこの説明では納得できない。しかも,途中救済された子は,もともと対局数が少ないはずで,ここで余分に長男らが対局すると,対局数の差が2局になるはず。連盟の方も登場して協議した結果,O君との対局は途中で打ち切られ,これまでの対局数を考慮したあみだくじを利用して,「ベスト8の予備戦」が行われた(長男は1回戦シードや不戦勝もなく,対局数は多かったので,予備戦の対象から外れた)。


準々決勝も勝って,準決勝では同じ三茶道場で戦うぶんちゃんと。長男によれば,この戦い,かなり危なかったようで,中盤から優位を築いたものの,長男のほうが時間を消化しており,ぶんちゃんが粘りに粘って,最後は王手ラッシュもかけられ,危うく切れ負けするところだったらしい。ぎりぎりのところで勝って,決勝へ。決勝の相手は,上記のO君。大会での対戦成績は1勝0敗(昨年の小学館大会)だが,練習将棋では5分なので,どうなるかわからない。


決勝は,ステージ上で,和服姿で行われる。ステージ上の大盤解説は島九段,聞き手は清水女流,読み上げは岩根女流と,豪華メンバーが揃う。ステージ対局は,倉敷でも経験しているが,そのときは観戦者も少なく,落ち着いた雰囲気で行われた。今回は,何千人も観客がいて,親まで緊張する。決勝戦は切れ負けではなく,初手から考慮時間なしの1手30秒。


長男の対局の様子を見たのは,本日10局目の決勝だけだった。長男が後手で,(一手損ではない)角替わりから,先手玉が8八に入場したタイミングで長男が6五歩から仕掛ける展開。駒得もして優勢かなと思ったが,粘り強く受けられ,逆襲を受けて王手飛車もかけられ,本人によれば「負けを意識した」とのこと。ほぼ必至の状態から,詰ましにいったところ,O君の受けにもミスが出て薄氷の勝ち。


対局後の控室では,プロの決勝戦前の羽生先生が和服で登場。近くにいるだけで緊張してしまう。


強い3年生が何人かいたので,優勝は難しいと思っていたが,たまたま長男と当たることはなかったので,幸運にも決勝まで進むことができた。来月行われるチャンピオン大会(各地の優勝者による大会)では,残念な結果だったみんなのためにもがんばってもらいたい。


それにしても,戦っているのは長男で,私は別に何もしていないのだけれど,会う人会う人に「がんばってください」「おめでとうございます」と言われると,なんだか自分が戦った気がしてしまう。私はどんな競技にせよ,大会で優勝も上位入賞もした経験はないので,長男のおかげでいい経験を味あわせてもらっていると思う。


おめでとうを言ってくださった方には,この場を借りて改めてお礼申し上げます。