Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

短大非常勤講師の頃

最近,履歴書・経歴書を提出する機会があったが,経歴を書くときにいつも書こうかどうか迷うことがある。


私は修士課程を出て社会人となったのは今から約15年前。「職歴」欄にはその年から「某コンサルティングファーム入社」と書くのが通常だが,そのさらに2年前,つまり修士の頃,某短大で非常勤講師を1年半ほど勤めていた。


教えていた科目は,「情報処理概論」「情報処理演習」など。前者は巷の本屋で売っているような「パソコンの仕組み」のような本をテキストにしながら,パソコンのスペックが読める程度に基本的な事項を説明した記憶がある。


後者は,当時まだメジャーだった「一太郎」「Lotus 1-2-3」の使い方などを教えていた。演習室のPCが,まだWindows3.1にもなっていないCUIDOSだったし,プリンタもレーザーやインクジェットではなく,ドットインパクトで,しょっちゅう故障するという劣悪な環境であった(もちろん,すべてスタンドアローンPC)。


いちおう,当時は修士ということで,大学は卒業していたが,学生との年齢差は3,4歳。満足に就職活動もしていないから,スーツもほとんど持っておらず,だいたい同じものを着ていた。今思えば,非常勤講師ということで,かなりナメられた存在だったように思う。


ときどき,講義の時間が余ると,出席を兼ねて小テストをやってみた。確か,一定の情報を記憶・識別するのに必要なビット数を計算させる問題で,正解は「7ビット」だったのだが,回収した答案を見て苦笑。ほんの数名「7ビット」という正解にたどりついていたのだが,その周辺には「クビット」「クピット」「7ヒット」など,伝言ゲームさながらの面白回答がてんこ盛り。


最後の期末試験では,当時重要なコミュニケーションツールだった「ポケベル」の番号が答案の末尾に「単位落とすときはココへ連絡してください」「こんどカラオケ行きましょう」などというメッセージとともに書かれていた。


その短大自体は,現在も残っているが,残念なことに私が講義をしていた学科も消滅し,キャンパス自体は数年前に閉鎖したようである。