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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

弁護士「超」活用法@東洋経済2010/5/22号

業界でちょっと話題の(?)掲題の特集。駅構内のショップや,電車内の吊広告で嫌でも目に入るので,NHK将棋講座テキストとともに購入した。


以下の4部構成。

I 弁護士急増時代の超活用法


これまでも幾度か話題になっていた「弁護士バー」や「弁護士ドットコム」が取り上げられている。また「よい弁護士」選び入門では,「善しあしを見分けるポイント」として,「時間に正確である」「話をよく聞く」など,7つのポイントが掲げてあるが,このとおり,読む側からすると「当たり前じゃん!」という突っ込みを入れたくなるものばかり。でも,逆に,そうでない弁護士も多いのも事実。

II 五里霧中の司法制度改革


ここも,業界側の人間からすると,いろいろとこれまで見たり読んだりしたことばかりで,特に真新しいことはない。61頁の図表では,「採用計画のない事務所が採用できるとする年俸水準」として,2006年当時は,1%程度しかいなかった「300万円未満」が,2009年には18%程度まで上昇していること。しかし,この図表をみると,何やら登録された新人給与の年別推移を表したように見えるが,タイトルは小さく「採用計画のない事務所が採用できるとする年俸水準」と書いてあり,あくまで仮定的な話である。ややマギラワシイ。

III 岐路に立つロースクール


法科大学院協会理事長の青山先生の談話が紹介されている。タイトルとしては「名誉ある撤退を真剣に考える時期だ」と勇ましいが,激減しているロースクール志願者を増やすために「年3000人へ向けて着実に合格者を増やしていくことが志願者数の回復につながり・・」とある。この論理ではロースクール関係者以外を説得するには難しかろう。

IV 激動のビジネス法務最前線


最後は4大事務所特集。よくありがちな「優秀な弁護士」アンケートでは,銀行・証券会社8社に対するアンケート結果が掲載されている(母数が少ないし,回答者の属性が偏ってないか?)。特に「優秀だと考える事務所」は4大+TMIに解答が集中したそうだ。うちの事務所に来るお客さんはむしろ逆の話をされることが多いが,これは零細事務所である我々へのリップサービスもあるだろうし,あんまりそれを言うと僻みっぽくなるので・・(以下略)