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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

合格者ゼロの法科大学院

本日(2/9)の日経新聞夕刊で見つけた記事。

姫路独協大法科大学院が,1月に実施した2010年度入試で合格者がいなかったことが9日,分かった。受験者は3人。04年に開港した同大学院は新司法試験の合格者数が4年間で計3人と全74校中最少。同大学院は「来春以降,募集停止も含めて今後の方針を検討する」としている。


・・早晩,撤退校が現れるとは思っていたが,合格者ゼロ校(司法試験の合格者数ではなく入試の合格者数!)がこんなに早く現れるとは思わなかった。受験者としても,大学選びは慎重になってきたというべきか。


たまに,「ロースクールへ行こうと思うんですがどうですか?」という質問を受けることがあるが,それが社会人であっても,大学生であっても,今では「できればやめておいたほうが。なぜなら・・」という答えをすることが多い。そのうえで,「仮に,明確な目標があって,どうしても,というのであれば,(合格率)上位校のみを受験するようにしたほうがいいですよ」と答えている。


合格確率は,大学によって5倍から10倍も違っているのだし,合否によって生じる「格差」は今のところかなり大きいので(とはいえ,合格したからといって大きく振れることもないのだが),大学院入試という入口の段階で無用なリスクを冒す必要はないだろう。私は,この世界は,撤退するなら早いほうがよいと考えているし。