Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

1年の違い

先ほどのエントリで書き忘れたが,2009年に合格するのか,2010年に合格するのかでは大きな違いがある。


司法修習生期間中の処遇が,給与制か貸与制か,という違いである。もともと,新制度発足とともに増えすぎる司法修習生の待遇面が問題となり,貸与制になることがいったんは決まった。しかし,各方面(ロースクール生含む)からの活動により,当面は給与制を維持する,ということになっていたのだが,その期限も平成22年11月で切れる。つまり,給与をもらえるのは,今年の合格者まで,ということになる。


司法修習生の給与は,年間でもボーナス込みで300万ぐらいに過ぎないが,返済義務の有りと無しとでは大違いだ。しかも,そうなると兼業禁止との兼ね合いも問題になるが,おそらくフリーで認められるということはないだろうし,現実問題,平日フルタイムで修習をやっていれば,簡単に副業で収入を得ることは難しい。何より,せっかくの自由・無責任の期間が,バイトに明け暮れることになったとしたら,それこそ不幸だ。


現在,各弁護士単位会で,貸与制導入の延期を求める決議が出されている。こうした決議がどこまで実効性があるかわからないが,現状,ほぼすべての単位会が類似する決議を出している状況下で,合格者数を減らしたこともあり,何らかの動きがあるかもしれない。