Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

卒業後の進路(7)

前回に引き続き,目標設定のポイント。



これまでの内容は,

その(6)
http://d.hatena.ne.jp/redips/20090810/1249907780

その(5)
http://d.hatena.ne.jp/redips/20090726/1248613492

その(4)
http://d.hatena.ne.jp/redips/20090721/1248187670

その(3)
http://d.hatena.ne.jp/redips/20090718/1247927278

その(2)
http://d.hatena.ne.jp/redips/20090716/1247756377

その(1)
http://d.hatena.ne.jp/redips/20090715/1247585905


で,目標設定におけるポイントとして,「いろいろな切り口」「具体的に」「誰もやっていないこと」を挙げた。


今回は,その続きで,4つ目のポイント。

その4 なぜ,そのゴールなのか


事務所や企業を回ると,「やりたいことは何か」「なぜ,うちの事務所(会社)なのか」ということが聞かれる。前者の質問の答えは,まさに「目標設定」のアウトプットを答えればよいのだが,後者の質問についても,自分で改めてよく考えておく必要がある。


こう書くと,なんだか単なる面接の対策みたいだが,ぼんやりと「これがやりたい」と思っていると,そのモチベーションが続かないし,リサーチも進まない。


ここは,司法試験受験生お得意の論証力が生きる場面だと思う。ただ,私がたまたま参加した法律事務所のグループ面接というか,説明会では,


「学部時代は,会社法ゼミを選択し,企業法務に興味を持ちました」


「選択科目は知財法を選択したので,知財を扱っていきたいと思います」


などと答える人が意外に多かった。個人的には答えになっていないように思う。自分がインタビュアーであれば,前者の回答に対しては,「企業法務に興味を持ったら,なぜ,企業に就職せず,うちの事務所なのですか?」,後者の回答に対しては,「なぜ知財法を選択したのですか」と聞きたくなるところである。


とはいえ,実際の採用プロセスでは,この答えしだいで当落が決まるというものでもなさそうだけれど。


このポイントは,社会人出身者にとって特に重要だと思う。普通に考えれば,「なぜ,わざわざ会社を辞めてまで,この世界に来たのか?」ということが知りたくなるからである。新卒者であれば,ロジックが多少薄くても「あこがれ」「イメージで決めました」というのが通用するような気がするが,社会人を経ていると,単に,


「金融機関で働いていたので,ファイナンスがやりたい」


「前の仕事とは別の世界で働きたくて」


などいうだけでは,弱い気がする。


だいたい,目標設定のステージでのポイントはこんなところ。考えるだけ考えたとしても,想像力に限界がある以上,途中でよくわからなくなるはずである。そうなったら,次の「調査」のステージに進むことになる。