Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

卒業後の進路(5)

目標設定におけるポイントの話の続き。前回は「いろいろな切り口」について触れた。今回は,次のポイントに移る。

その2 できるだけ具体的に


これは,このブログでも何回も書いてきたことかもしれない。どうせ,目標を設定するのであれば,自分の想像力の範囲内で,できるだけ具体的にしたほうがよいと思う。たとえば,

  • 困っている人を助けたい


という目標であれば,そもそも弁護士という職務の性質上当然の内容だし,「どんな困っている人を助けたいんですか」「困っている人を助けるのであれば,福祉関係の仕事でもよいのではないですか」という質問で止まってしまう。

  • 企業法務をやりたい


こういう人も多いが,今や東京で仕事をする弁護士の多くは,割合に多少の差はあれども企業法務をやっている。企業法務こそバラエティがあって,これだけでは今後の進む方向性を絞り込むことにはつながらない。「企業法務ってたとえば何をすることですか」「法律事務所ではなく,企業の法務部に勤めたほうがよいのではないですか」と聞かれたときの対応が弱い。


ほかにも,

  • 外資系で働きたい
  • インハウスローヤーになりたい
  • 東京で働きたい


という目標設定も悪くないかもしれないが,個人的には具体性に欠けると思う。なぜ?という部分が感じにくい。結局,「外資系」の場合では,手あたり次第に事務所を回って「なぜうちの事務所を?」と聞かれたときに困る。


どこまで具体的にするのか,というのはそれまでのキャリア次第であって,たとえば,新卒の若者の場合,どうしても想像力に限界があるので,具体的な目標を立てるのが難しいし,逆に,きわめて具体的な目標がある場合には,何かの思い込みの可能性もある。逆に,社会人出身者の場合は,あいまいな目標設定では頼りなく思われてしまうだろう。


また,つづく。