Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

卒業後の進路(4)

前回は,目標設定が重要だという話を書いたが,その続き。


目標と一口にいっても,「法律事務所で働きたい」では,目標を決めていないのに等しい。ここでは,目標設定する上で,ヒントになるようなポイントを示してみたい。

その1 「いろいろな切り口」


「弁護士になるといっても,もう少しやりたいことを絞らないと」という話になると,ふつうは,「労働法関係がやりたい」「知財がやりたい」などという話になりがちである。つまり,法分野での切り口で考える人が多い。これは想像だが,新司法試験になって,選択科目というものが誕生してから,その傾向が強まっているのではないだろうか。ただし,これは,あくまで目標設定の1つの切り口にすぎない。つまり,「プロダクトアウト的」な切り口だ。


やりたいことを絞り込む切り口としては,他にも,「マーケットイン的」思考があってもよいと思う。たとえば,一般民事をやりたい,という人は,「個人客」を相手にしたい,という意味では「マーケットイン的」といえるだろう。ほかにも,「ベンチャー企業」相手のリーガルサービスを提供したい,とか,「司法過疎地」で仕事をしたい,というのもこの部類に入るだろう。


他の切り口としては,「組織への帰属形態」というのも考えられる。たとえば,「大手事務所」「外資系事務所」で働きたい,とか,「独立採算制で働きたい」「企業内弁護士として働きたい」などである。


これらの切り口での組み合わせによって,さらに絞り込みができる。ただし,組み合わせによって「ベンチャー企業相手に労働分野のリーガルサービスを小規模事務所で提供したい」などといった目標を設定することも可能だが,こういう絞り方に意味があるかどうかは別問題である。


とにかく,「絞り込み」といえば「法分野」のみで考えるのではなく,いろんな切り口がありうる,ということがいいたい点である。


ポイントは,5つぐらい考えてみたのだが,1つ目で長くなってしまった。残りはつづきということで。