驚いたことに,長男は,左右の概念をしっかりわかっていなかった。
棋譜を並べていると,頻繁に「5八金左」とか「2三銀右」などと出てくるし,それを間違えて並べていることもなさそうである。私の場合,特に後手番だと,「5二金右」などと書かれると,どちらの金を動かしてよいやら迷う。
末尾に「右」とか「左」は常につくわけではない。「右」とか「左」がつくのは,同じ種類の駒が,複数,該当地点に進める場合である。指し手から見て,右側にある駒が左方向に向かって動くときは,末尾に「右」とつくし,その逆の場合は「左」となる。
なので,末尾の「右」は,「右に向かって進む」のではなく,「右側にある駒が左に向かって進む」のである。相手から見ると,「左側にある駒が右に向かって進む」のである。ややマギラワシイ。
そんなわけで,自転車に乗っているときに長男は左に曲がるゾ,というと「右」に曲がろうとする。