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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

企業法務部員の供給源

2009年7月号の「ビジネス法務」(中央経済社)の記事の一つに,「ロースクールは企業法務部員の供給源となるか?」がある。


http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/200907/contents.htm


ロースクール制度が発足した当初から意識されていた問題で,かつ,現在のロースクール卒業生や,新規登録弁護士の就職難という現実に基づいて顕在化した問題でもある。


企業への就職という観点では,かえって有資格者(弁護士)のほうが,単なるロースクール卒業生よりも扱いが難しく,採用の裾野は広がりにくいと思う。それは,記事中でも指摘されているように,教育・待遇の面で扱いづらいことが考えられる。


もっとも,私の司法修習所同期のうち,何人かは,弁護士として企業に就職していった。私が聞いている範囲では,それまで社会人としての実務経験を有する人は,マネジャーやディレクターとしてのポジションに就いているし,社会人経験がない人は,一般の新入社員とそれほど変わらないポジション・待遇にあるようである。ただし,就職先企業は,一部上場(その中でも特に有名企業)がほとんどで,中小・ベンチャーまで含めて幅広く採用されているという印象はない。