先月出た題記の本。一気に読んだ。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/04/24
- メディア: 単行本
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著者の梅田望夫さんは,ウェブ進化論(2006),ウェブ時代をゆく(2007)―いずれもちくま新書―というベストセラーの著者として有名だ。私は,両書はもちろんのこと,かつて日経ビジネスの「時流超流」というコラムで1999年から2002年ころに連載を持っていた頃からの同氏の著作に親しんできた。
この本全体に書かれている,「誰でも,明日から『指さない将棋ファン』になれるのだ。」というメッセージには,大きく勇気づけられる。確かに,スポーツでも音楽でも,自分がプレイヤーとしての経験,技能を有するほうが観戦者・オーディエンスとしても一般人とは違った楽しみ方ができるのはわかる。しかし,プレイヤーとしての経験,技能がない人が「○○のファンです」と名乗ったところで別に恥ずかしいことはない。
将棋の場合は,「趣味は将棋」と書くと,確実に「将棋が強い(少なくとも有段者)」と思われそうで,気が引ける。私の場合,長男がはまってしまった将棋というものに対し,少しでも話をついていけるように,そして長男が好きな将棋の世界を広げられるようにと,いろいろ情報を入手しているうちに,いつのまにか自分がはまってしまったのだが,下記のエントリのように,指すほうはサッパリで,「将棋ファン」を名乗るにはちゅうちょしてしまっていたところだ。
しかし,竜王戦,名人戦,NHK杯戦のテレビ中継を楽しむことはできる。そして,ときどきネット上の棋譜と,そのオンライン解説を楽しむこともある。ただ,まだまだ平易な解説,文章は少ないように思う。この本をきっかけに,将棋の普及という観点から,今以上にわかりやすい観戦記,解説などの読み物が増えていくことを期待したい。