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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

一般法律相談

先週の話になるが,新規登録弁護士の研修の一環として,弁護士会が運営する法律相談を担当してきた。


今私が扱う案件は,事務所の案件,個人の案件のどちらも,いわゆる一般民事の案件はほとんどない。一般の市民の方が相談に訪れる法律相談の場合,ほとんどは一般民事の案件だし,30分という限られた時間の中である程度のソリューションを提示しなければならないという意味で,貴重なトレーニングになる。


そんなわけで,新人研修は,あまり気乗りしないのが多いものだが,一般法律相談については,楽しみにしていた。


しかし,相談者が少なく,3時間の持ち時間の中で,30分の相談を2件担当したのみで,残りは待機時間だった。ただ,日によっては1件も相談者が割り当てられないケースもあるらしく,運が悪かったというほどでもないらしい。


2件の相談のうち,1件は研修所を出てまもない人間に好適な事案で,「ザ・法律相談」とでもいうべき内容だったので,比較的無難に対応できたと思う。ただし,もう1件については,何が問題になっているのか把握するのに苦労し,そして,ようやく理解した後に,アドバイスをしようにも,なかなかわかってもらえない,という相談者で,これもある意味,市民法律相談によくあるケースだといえるだろう。しかも,2件目の相談者は,これまで10回以上同じ話で法律相談を受けていたらしい。今まで相談後に受任に至った弁護士がいない,というのもわからなくない話で,この種の問題の難しさを感じさせられた。