Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

修羅場

弁護士登録後数か月,これまで肉体的にも精神的にも余裕を持ちながら仕事をしてきたつもりだったが,先週金曜日(24日)は,修羅場だったと思う。


25日朝までに,交渉の相手方にプロポーザルを提出しなければならない,という状況で,前日から2,3度クライアントとやり取りしていた。24日17:00ころには契約書ドラフトを作成し,クライアントに送ったので,ひとまず役目終了か,と思っていたところ・・


21:00過ぎに連絡があり,「まだいろいろと相談したい個所があるので,これから会議がしたい。」といわれ,22:00過ぎにクライアント先へ。着いてみると,クライアントおよびビジネスコンサルタントが合計10名超。こちらは私1名。


そこから,数時間,質問の嵐に遭い,脊髄反射で回答しつつ,プロジェクタにつながっているPCを操作してドラフトをその場で修正。


何とか終わったのが翌5:30ころだったか。


夜通し仕事をしたこと自体はともかく,問題は気分的なものである。


これは,コンサルタント時代にも感じていたことなので,プロフェッショナル全般に言えると思うが,クライアントのリテラシの高低によって,こちらのストレス度合いが大きく異なる。すなわち,クライアントにほとんど専門知識がない場合には,(いい加減なことを言っても許されるというわけではないが)突っ込みも少ないので,精神的には楽である。逆に,クライアントの専門知識・経験が豊富で,プロフェッショナルに対する期待値も高いとなると,しっかり武装しないといけない。


また,クライアントとの関係の長短も影響してくる。長年付き合っているお客さんであれば,期待値も互いにわかってくるので,「ちょっとそれは聞かないで。よくわかんないんですよ」などと気軽にいえるが,初対面に近い関係の場合,どうしても発言,書面,コミュニケーションすべてがモノサシで計られているような気がするので,楽ではない。


今回のケースはどちらかといえばリテラシも高く,そして,数日前に初めて名刺交換をした,という関係だったというのが修羅場となった原因である。