弁護士登録からは１か月以上経過していたが，本格的に実務についてからも１か月が過ぎた。
大きな事務所に行った人は，まだ研修の日々を送っている人もいるようだが，小さな事務所に入った身としては，初日からプラクティスすなわち実働である。
この１か月は怒涛のように過ぎ去ったが，いろいろなことを考えたりもした。最初の１週間は，単に仕事がおもしろいというか，緊張と刺激を受けるばかりであったが，２週目になってそれが落ち着くと，自分の中にちょっとナメてた部分があったりして，奥深さというか，これから修行がたくさん必要だということを思い知った。３週目に入ったころから，弁護士のマーケット，特に東京における企業法務のマーケットの厳しさを意識するようになってきた。いまだかつてないほどの急激な不況の影響は，確実にこの世界にも及んできている。自分の食いぶちを稼ぐのは相当にしんどい。４週目になると，お客さん先に一人で出向いたりするなど，ピンで行動することも増えてきて，責任の重さと楽しさの双方を感じるようになってきた。
最初の１か月だったので，短期間でこんなにいろいろ感じることになったが，これからまた同じように楽しさや，厳しさを感じながら日々が過ぎていくのだろう。
そんな１か月だったわけだが，そういえばまだ一度も裁判所に行っていないことに気づいた。今のところ，訴訟事件はアサインされていないからだ。それに加え，弁護士の象徴である「バッヂ」をつけたこともお試しで１回だけしかない。まだ木の箱の中でピカピカしているはずだ。
個人事件もボチボチ受任しているが，いずれも過去の知り合い関係であって，国選弁護とか，法律相談経由というのはまだない。まずは，個人事件についても，デリバリーを確実にやって信用を一つ一つ積み重ねていかなければと思う。
