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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

第21期将棋竜王戦第7局

一般にはあまり知られていないが,現在,将棋界にとって歴史的な対局が行われている。


竜王戦は,1年かけて挑戦者を決定し,その挑戦者とタイトルホルダーが7番勝負(プロ野球の日本シリーズと同様に,先に4回勝ったほうが勝ち)を行う。将棋界には7大タイトルがあるが,中でも竜王は名人に次ぐほどの重要なタイトルで,賞金額は確か一番高い(優勝すると3200万円)。


その竜王戦を,渡辺明竜王と,羽生善治4冠が戦って,3勝3敗で迎えた第7局が今日,明日と行われている。


・・と,これだけであれば,毎年竜王戦は行われるわけなので,それほど珍しいことでもないが,今回の場合,もし渡辺竜王が防衛すれば,連続5期達成ということで,初代の永世竜王位を獲得する。他方,羽生挑戦者が勝てば,通算7期獲得ということで,これまた初代の永世竜王を名乗ることができるようになる。つまり,偶然ながら,どちらが竜王になっても永世位を得られることになる。そのうえ,第7局まで来たということは,この最終局ですべて勝負が決着するというわけだ。オマケに羽生さんが永世竜王を獲得すれば,7大タイトルすべてについて永世または名誉称号を得ることになる。もちろん,これも前人未到の記録であり,記録づくめの一番になった。


今期の竜王戦は,羽生さんの3連勝で始まった。それまでの勢いからして,このまま一気に行くかと思われたが,さすがは渡辺竜王,そこから驚きの3連勝で逆王手。将棋のタイトル戦史上,これまで3連敗4連勝ということはないそうだ(野球では何回かあったけれど)。そういう意味でも注目の一番である。明日の夕方に決着するだろう。