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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

和光終了

われわれ東京修習のカリキュラムでは,9月17日で集合修習が終わり,残りの2ヶ月の修習期間は選択型実務修習となる。


これまでの2ヶ月間は,過度に二回試験を意識させられるものだった。前にも書いたとおり,二回試験と同様の形式の起案を行い,それを採点し,評価をつけて返却されるということが繰り返される。その成績如何では,「本番もこれと同じことをやってしまったら,もう1年修習をしなければならないのか?」という気にさせられるケースもあるだろうし,また,「本番これと同じであれば,落ちることはないだろうが,同じ程度書けるという保証はないなあ」と感じることもある。とにかく,起案・講評を中心に回っていくという,あまり気分の良くない2ヶ月である。


ところで,われわれ新61期修習生からは,人数が増えたこともあり,この集合修習は2つの班に分けて実施される。私はA班ということで,主に8月,9月に集合修習を行い,主に10月,11月に選択型実務修習を行って,二回試験に臨む。B班はその逆である。


二回試験に直結するのは集合修習なので,A班,B班,どちらが有利なのか,というのが修習生の間で議論されることがある。A班が有利だとする論理としては,集合修習で自らの弱点を発見し,選択型の2ヶ月間でそれを修正することができる,というものである。要するに勉強する時間が確保できるという点にある。他方,B班が有利だとする論理としては,集合修習で身についた感覚を失わないうちにそのまま試験に臨むことができる,というものである。


まだ,実際に試験を受けたわけではないので,断定的なことはいえないが,私自身の感覚としては,後者,すなわち,集合修習からそのまま二回試験に突入できるほうが,よいと思う。


というのも,二回試験というのは特異な試験で,朝に答案用紙の束と,記録冊子(多いと120頁位)を渡されて,夕方まで,7時間ほど,その冊子を見ながらひたすら書きまくるというものである(それが5日間)。訓練は,自習でカバーしきれるものではなく,実際に「起案」するのが一番だと思う。何度かそのような訓練をすれば,不思議とコツをつかみ,感覚が徐々に研ぎ澄まされていくような気がする。われわれA班の場合,そうやってせっかく身につきつつあるものを2ヶ月で失ってしまうのではないかという気がしてしまうのである。


・・と,嘆いても仕方ないので,これから,どう過ごしていくのか考えなくては。