Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

大きな決断をするための,5つの問い

以前のエントリで「リストのチカラ」について言及した*1が,今回もその中のひとつのリストを取り上げる。


大きな決断を目の前にしたときに見るリスト(86頁)。作者は,本書の著者・堀内さんである。

・完全に合理的な人はどう決断するだろうか?
・80歳になった自分が過去を振り返ったとき,この決断をどう思うか?
・あと3年で死ぬとしたら,どのような決断になるか?
・(尊敬する人の名前)なら,どう決断するだろうか?
・(尊敬を失いたくない人の名前)に自分の決断が間接的に伝えられたとき,この決断をどう見るだろうか?


ロースクール入学を決意した約5年前に,このリストの存在を知っていて,かつ,眺めていたとしたら,ほぼ間違いなく受験・入学を回避しただろう。というのも・・・

・完全に合理的な人はどう決断するだろうか?


当時,ロースクールに入れば,司法試験に70〜80%の確率で合格する,と言われていたが,冷静に合格者数の予定や,ロースクールの定員,一期既習者の再受験,未修者と既習者のハンデなどを考えれば,一回目ですら最悪20%台に落ち込むことは予想できたことである。また,社会復帰までの5年間の逸失利益なども含めて総合考慮すれば,「合理的な人」ならばありえない選択であっただろう。


また,

・あと3年で死ぬとしたら,どのような決断になるか?


この問いについて考えてみれば,答えは明らか。ロースクール卒業もしないまま死ぬことがわかっていれば,わざわざ苦学の道を選択するはずもない。


その他の問いについて考えてみても,どちらに転ぶか微妙なものがあるものの,積極的に背中を押してくれそうな問いは見当たらない。この決断に至ったことがよかったかどうなのか・・答えはまだまだ先。