Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

3人で500件

民事裁判修習も折り返し地点。裁判官の皆さんはとても多忙だ。


私がお世話になっている配属部には,裁判官が3人いる。係属している事件数は500件ほどあるという。そのうち数十件は合議事件(裁判官が3人で処理する)で,残りが単独事件(裁判官が1人で処理する)。単独事件を扱える裁判官は2人だから,各自200件以上(+合議事件)を抱えることになる。


これまでもこのような話は聞いたことがあったが,現実に毎日多数やってくる新件や,弁論準備のためにひっきりになしに訪れる代理人・当事者を目の当たりにすると,大変だと思う。


一般に,係属中の事件については,最低月に1回は弁論ないしは争点整理の手続が開かれる。月に200件を回そうと思えば,単純にならしても,1日10件はコンスタントにこなさなければならない。秒殺できる事件,当事者が双方ともに欠席する事件などもある一方,証拠調べで1事件につき2〜3時間を要することもある。裁判官は,事件処理だけにかかずらうことはできず,我々修習生の指導もあったり,その他の雑事もある。そう考えると,1件に割ける時間は,月に30分もないかもしれない。


これだけ裁判所の資源が限られているとなると,弁護士を目指す者として,いろいろ考えさせられる。とにかく裁判官には時間がない。代理人として考え得るオプションとしては,(1)自分の担当する事件を扱う時間を増やしてもらうようにする,(2)限られた時間の中で最大限,自分たちの主張を理解してもらえるようにする,(3)裁判所を介さない紛争解決を図る,というあたりだろうが,(1)は事件の性質などによって決まるものであり,代理人の才覚でどうこうできるレンジに限界があるから,現実には(2)か(3)だろう。


特に,(2)を考えるにあたっては,主張・立証をしっかりやるために,準備書面や証拠の量を厚くするという方向性と,裁判所にきちんとわかってもらうために,コンパクトにまとめるという方向性をいかに両立させるかというのが難しそうだ。