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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

認証保育所保育料負担軽減制度

現在住んでいる自治体において,4月から始まる年度から,題記の制度が始まるということで期待していた。


そもそも,保育園の中には,国が定めた一定の基準を満たしている「認可保育園」があり,運営費については,国や都,区が補助しているため,比較的安価に保育サービスを受けることができる。


一方で,上記の基準を満たさない保育園の中でも,東京都が認証した「認証保育園」というものがあり,こちらについても運営費については都や区が補助しているが,基本的に私立の保育園とあまり変わらない保育料がかかる。


わが子二人を預けているのは,後者の認証保育園である。


認可保育園と認証保育園の保育料の差は,無視できないほど大きい。前者の場合,3歳児以上になると保育料が大きく低下したり,二人以上同時に預けるとだいぶ安くなったりするが,後者については,そのようなことはないため,3歳児以上がいたり,二人以上預けていると,その差が広がる。5歳児と1歳児の二人を預けていると,司法修習中の私の給料の2/3は保育料で消える。


そんなわけで,平成20年度から導入されるという題記の制度に期待してしまった。


しかし,思ったほどこの制度の恩恵を授かれる家庭は少ないと思われる。補助金額は,月額5000円から20000円ということであったが,所得制限が厳しい。


近頃配布された資料によると,満額の20000円を受け取れるのは,前年度所得税課税対象額が180万円未満(世帯合計)ということであり,さらに,同423万8000円を超えると補助金額がゼロになる。


そもそも,毎月6万とか7万とかの保育料を支払う家庭の場合,課税対象額が180万円を切っているケースは希だと思われるため,実質的に満額を受け取れるケースはあまり想定できない。


この制度も「少子化対策」「育児支援」「女性の社会進出支援」という政策の一環だと思われるが,耳触りのよさほどには恩恵に浴される人は少なそうである。