Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

就職活動(8)

とりとめもない話題が続くが,今回は「事務所説明会」について。


比較的規模の大きい事務所では,司法試験終了後,7月ごろから,よく事務所説明会を開催していた。事務所説明会は,採用活動のファーストステップに位置づけられている。


私は,それほど規模の大きな説明会に参加したわけではないが,少ないケースで参加者5名程度,多いケースで50名ぐらい,という感じであった。基本的にインタラクティブ性に乏しく,情報を一方的に受け取ることになるわけで,説明の内容も概してウェブサイトに書かれていることが中心である。


だいたいどこの事務所も「オフィスツアー」的なイベントが挟まっている。これが,私にとってじゃっかん奇異に感じるところで,弁護士やスタッフが忙しそうに仕事をしているオフィスの中を説明担当の若手弁護士にくっついてゾロゾロと歩いていく。


「こちらが図書コーナーで,調べものをするときに利用します」「ここはリフレッシュコーナーで,いつでもコーヒーなどが用意されています」と,だいたい同じような説明が多く,社会科見学という感じである。


ふだんはお客さんも入れない執務スペースの中も案内していただくわけで,ブースの棚などには依頼者名や事件名などが大きく書かれたファイル,封筒なども置いてあり,機密保持の観点からは,これでいいのかしら?と余計な心配をしたくなる。いくつか説明会に出た中で,一箇所だけ,オフィスツアーの中で,「ここから先は執務スペースなのですが,コンフィデンシャルな資料等もあるため,申し訳ないですがご案内できません」という説明をしていただいたところがあったのだが,こういう対応のほうがむしろしっくりくる。


冒頭に書いたように,いちおう説明会はファーストステップに位置づけられているが,多くの事務所では,必ずこれに参加しないとその先に進めないというわけではないようだ。その事務所の情報を得たいのであれば,むしろこうした機会よりも,個別に知り合い等を頼ってインフォーマルにお話を聞かせてもらうほうが実情を詳しく聞けると思う。