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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

弁護士とコンサルタント(2)

コンサルタントはアウェーで戦う,ということを前回(http://d.hatena.ne.jp/redips/20071218/1197905831)書いた。


一方,弁護士は,法務を扱うだけにホームで戦う。


クライアントにとってわからないこと,聞きたいことを弁護士に持ち込んでくる。法的知識・スキルは圧倒的に差があるから,出した答えが「そんなのあたりまえだよ」と言われる可能性は低いと思われる。


もっとも,そこまでホームとアウェーというように截然と分けられるわけではないと思う。例えば,コンサルティング会社も,「人事評価制度」とか「ネットワーク・セキュリティ」とか「J-SOX法対応」といった領域ごとにソリューション・パッケージを用意して,自分たちの得意な領域で,かつ,クライアントの知識・経験に乏しい分野で戦うことがある。というより,むしろこういう世界のほうが多いかもしれない。一方で,大手企業などでは,特定の法分野についてエクスパートがいたりするので,「知識・スキルに圧倒的に差がある」などとあぐらをかくことが許されないケースもあろう。


作業場所に関しても,ホームとアウェーの違いがある。コンサルタントは,クライアントに席を確保してもらって,そちらに常駐することが多い。文字通りアウェー。一方で,弁護士の場合,クライアントが事務所に相談に訪れるケースが多い。


クライアントのビジネスフィールドで,法的知識・スキルをいかんなく発揮して戦える弁護士,というのが一つの理想形かもしれない。