弁護士が,依頼者や事務員さんから「先生」と呼ばれるということは知っていたが,修習生までも「先生」と呼ばれるということは知らなかった。
もっとも,これは現在私が配属されている事務所に限った話で,事務所のボスの考えにより,「修習生であっても『先生』と呼びましょう」ということになっているだけなのかもしれない。他の事務所がどうなっているのか,わからない。
・・と思っていた折,弁護士会にいったついでに弁護士会の図書館の入館カードを作ることにした。修習生用の申請書に記入して,「しばらくお待ちください,お呼びしますから」と言われ,待っていたところ,「○○さん」ではなく,「○○先生」と呼ばれた。
どうやら弁護士会でも,修習生に対する敬称は「先生」のようだ。果たして裁判所や検察庁でもそうなんだろうか。
「先生」と呼ばれた経験は,ずいぶん前の話になるが,学生時代の学習塾講師と,短大の非常勤講師時代にある。そのほか,最初に入社したコンサルティング会社でもあった。今でもその風潮が残っているのかわからないが,この会社での「先生」の用法は他の用法と大きく異なっていた。すなわち,マネジャーやスーパーバイザーが,
「○○センセイ,ちょっと,これお願いしたいんだけど。○○センセイなら明日までにできるよね。」
などと19:00ごろに仕事を部下に依頼する際に用いられたりする。もちろん,普段は「センセイ」とは呼ばない。
話がそれてしまったが,修習生とはいえ,単なる見習いではなく,バリューを出していかなければならないこと,それが期待されていることはわかる。でも,だからといって「先生」と呼ばれることには違和感を感じるなあ。もっと言ってしまえば,ビジネスの場面においては,プロフェッショナルサービスの提供者である弁護士であっても,「先生」という敬称がつくことに不自然さを感じるのだが。