本日(10/29)付け日経新聞朝刊の「法務インサイド」で,題記の記事が載っていた。
これまで,あちこちのメディアでこの手の話は見てきたので,「またか」という感じだが,日経までも大々的にこの問題を取り上げた。
書いてあることは,「フランス並みの法曹人口にするという意見書」「隣接職種(司法書士など)を含めると日本の法律家は決して少なくない」「需要見込みのないままの増員計画」「60期は採用枠を前倒してなんとか吸収」「新たな就職先として企業を期待するが,受入側は慎重」「弁護士会も増員反対決議」・・ときて,最後に「ロースクールを目指す学生の減少,低レベル化」と落ち着くパターンであり,どこも似たような感じで,特に真新しい内容はない。
新61期司法修習生(予定)は,新司法試験受験直後の6月頃から就職活動*1を開始している。9月の合格発表後には,さらに裾野が広がり,活動も活性化している。この勢いは,東京では11月後半の修習開始ごろにはいったん落ち着くのだろうが,どこまでこの状態が続くのかはよくわからない。通常の大卒新人就職活動が圧倒的に売り手市場*2であるのに対し,この業界では全く逆だ。
最終的に,新61期の約1800名が落ち着く先が決まるのかどうかは,かなり問題である。まもなく実務に出てくる新60期については,当該記事にもあるように,なんとかなったようだが,次の世代については,ここ数年,(人材)需要の先食いをしたこともあり,かなり厳しいらしい。
とはいっても,直接・間接に聞く話を総合すると,まっとうな人が(独立する以外に)どこでも働けない,という事態にはならなさそうだ。問題は,「まっとうな人」とはどういうレベルを指すか,なのだが。仮にそうやって新61期が無理やり掃けたとしても,その先,さらにその先,については「まっとうな人」すら怪しくなってくることは間違いない。こういう観点からも,以前書いたように,「受け控え」はデメリットが大きい。
私自身の「就職活動」については,すべてが落ち着いて,しかるべきタイミングになったら書こうと思う。