Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

論文力(2)

前回挙げた,3つの要素について,もう少し掘り下げて考えてみる。


まず,いずれの要素においても,訓練をしないと伸ばすことはできない。かといって,訓練だけで決まるわけではなく,現実には,素質に大きく依存するとも考えられる。そうすると,

 各要素 = 素質 × 訓練量


に分解できる。素質は,先天的なものや,それまでの長い経歴で培われたもので,2,3年でどうこうなるものではないとすれば,固定値。「訓練量」は,やればやるほど伸びることを考慮すると,

 各要素 = 素質 × 訓練量
     = 素質 × やり方 × 時間


と表すことができるだろう。これを最初の式に代入すれば,論文力は9つの要素に分解できることになる。


ここで初めて「やり方」が登場する。これだけ理屈を捏ねておいて,結局は「『やり方』で決まる」というのは芸がない気がするが,一方で,こうしてみると「やり方」と同じぐらい「時間」も重要であることがわかる。勉強時間を増やす方法というのは,理屈も何もなく,生活習慣の見直しと,気合次第。事実,私が知る範囲での合格者は,みんなかなり勉強していた。


「時間」に対する考え方は,別の機会に書くとして,次回以降では各要素の「やり方」について考えてみる。