Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

ノート

予習,ソクラテス・メソッドに続いて,今回はノートについて考えてみる。


ロースクール生活および新司法試験に向けて,自作ノートをほとんど作らない,という人もいたが,私はかなりノートを活用したほうだと思う。ノートはすべてPC(MS-WORD)で作った。


報告書だとか,意見書のように,文書そのものが成果物として意味がある場合と異なり,勉強過程で作成するノートは,作ることじたいに意味があるのではない。だから,作ったノートをどのように利用するのか,つまり作成目的を明確にしないと,ノートは作ったんだけど,あんまり役に立たなかった,とか,結局見直さなかった,などということになってしまう。


私は,大きく分けて,「定期試験対策用」と,「新司法試験直前見直し用」の2つの目的でノートを作った。ここでは,前者を中心に触れる。


前者は,各授業単位,例えば,「民事法演習I」などの単位で作成した。いわゆる普通の「講義ノート」である。ロースクールの定期試験では,授業で話した内容がそのまま問われるというわけではないが,授業の内容に何らか関係した分野から出題されることが多い。そうすると,試験前は,全15回の授業がどのような内容であったか,どのような説明がなされたか,というのをトレースするのが試験対策としては効果的だと思う。


そこで,予習段階で作成したメモに,講義中で行われたやり取りの中を自分の言葉で挿入していった。中身の濃い講義だと,予習メモも含めて,1回分で15頁ほどになる場合もあったため,試験前に200頁以上のノートを振り返る必要があった。


この種のノートは,いわば「使い捨て」なので,あまり体裁にこだわらず,無用かと思われる記述も敢えて消さずに挿入し,授業中に「なるほど」と感じたことは極力,先生の言葉をそのままタイプしていった。このノートの中から,保存版に残す価値がある部分については,後に「新司法試験直前見直し用」ノートへと転記していった。


このような目的で作ったノートなので,逆にいえば,定期試験の心配がない科目(ゼミなど)については,講義単位でのノートを作っていない。そういった科目の授業中は,講義のやりとりに集中するか,「新司法試験直前見直し用」ノートを開いておいて,必要なタイミング・必要な箇所に加筆修正するか,寝ていた。