Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

音漏れ

以前,電車のマナーでヘッドホンからの音漏れがもっとも気になる,ということを書いたことがある。たまには注意をしようか,と思ったりするのだが,今日,遭遇したできごとからすると,やはり見知らぬ他人に注意するのは,やはりリスキーであることを再確認した。


そのできごとというのは,こんな感じである。


電車は世田谷線。出発して一駅,A女が乗ってくる。20歳ぐらいか。乗ってきたとたんにわかるほど,異常なほど大きな音でなにやら聞いている。A女はそのまま,私から2mほど離れたサラリーマン風のB男の席の前に立つ。


しばらくして,B男は「音が大きいので,下げてくれますか」とA女に頼む。A女はそれを無視。B男は聞こえないと思ったのか,音を下げてくれ,という感じのジェスチャーをする。A女は,ふて腐れた態度で,iPodに形だけ手をかける。しかし,音はほとんど変わってないように思う。


さらに,しばらくして,B男は再び,「音を小さくしてください,っていってるんですけど」と大きめの声でいう。しだいに,「ボリューム下げろって,いってるだろう!?」「音がでかいんだよ,うるせぇな!」にヒートアップ。A女は,ちょっと驚いた様子だが,シカト。その間もシャカシャカうるさい。


ところで,世田谷線の構造上,車内でそんな大きな声を出すと,運転手に聞こえる。次の駅に停車したところで,C運転手がやってきて,「どうかなさいましたか?」とB男に聞く。B男は「どうしたもこうしたも」。続いて,C運転手はA女に「音がもれていますので,ボリュームを下げてもらえますか?」と頼む。A女は「カナーリ,下げたんですけど」。C運転手は「まだ音がもれてますから,お願いします」。A女はシカト。C運転手,ダイヤが乱れるのを気にしたのか,運転席へ戻る。


・・・と,こんなやり取り。A女の態度が問題外なのはいうまでもないとして,勇気を持って,しかも,(少なくとも途中までは)常識的な態様で注意したB男としてはやってられないだろう。しかし,その後,少し面白かったやり取りがある。


B男の隣に座る初老のD氏は,「あの子(A女)は,耳が悪いんじゃないだろうかねぇ」と,やや的外れなコメントをB男に。B男は,「耳じゃなくて,アタマが悪いんですよ」と,意外にも冷静であった。周り一同,クスッと笑ったのだが,A女の耳には届いていない。