Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

満員電車の法則

満員電車の乗客数とかけて,ロースクール生の勉強時間と解く。


そのこころは,「もうこれ以上増やせない,と思っても,案外増やせたりする」。


満員電車に乗ってて,駅に停車するたび,ドアから人がこぼれ落ちるのを見ると,「もう,これ以上は乗り切れないだろう」と思う。でも,案外,ホームからグイグイと押し込まれていくうちに,結局全員乗れたりする。そして,同じ現象はターミナル駅に着くまで,どの駅でも生じる。


ロースクール生にとって,勉強の当面の目的は,新司法試験の合格確率を高めることにある。確率を高めるのにもっとも確実な方法の一つは勉強時間を増やすこと。そう思って,私自身,自分の置かれた状況の中で,最大限勉強時間を確保できるよう,工夫してきた。


そして,もうこれ以上,現実には増やせないな・・と感じたのは2年の前期ごろだったように思うが,それから1年半経過するうち,上記の満員電車の法則と同様に,工夫次第で少しずつ増やしてきた。工夫といっても,単純に睡眠時間を削るのではなく,通学時間をうまく利用したり,妻子の協力を得て土曜・日曜に一人でこもる時間を増やしてもらったり。


・・と,こんなことを考えているうち,数年前にも同じ状況があったことを思い出した。よく考えてみれば,これは「時間を捻出する」という意味では何でも共通である。ロースクール入学直前期は,プロジェクトの佳境を迎えており,時間的な拘束は今をはるかに上回っていた。比較的楽な時期は,週50時間ぐらいの労働で,「今週は多いなあ」と感じたりするものだが,プロジェクトは徐々にきつくなっていくので,週60時間,70時間,80時間・・と,気づいたら最高で週100時間に至った。


私の場合,「1日3時間寝れば平気」という人種ではないので,いくら労働時間が増えても睡眠時間は一定量確保しないと使いものにならない。そうなってくると,削れる時間として通勤時間が狙われ,家に帰る回数が減り,やがて食事,髭剃り,歯磨き時間が削られ・・と,非人間的生活へと移行する。


そのときのことを思えば,こんなふうにブログを書いてたりする時間があるだけ,まだ割り込みの余地はありそうである。そのうち,こういった時間も削る対象になるのかもしれない。