Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

答案の分量

新司法試験の答案は,いったいどれぐらい(何枚ぐらい)書くべきなのか?ということがよく話題になる。


この点については,今年の合格者に聞いたところでは,「できるだけ多く書くようにこころがけた」というコメントをもらったことがある。具体的には,4時間の試験で12枚〜14枚ぐらい書いたという話も聞いた。


一方で,(新司法試験の採点には関与されていない)先生に聞いてみると,「枚数の多い少ないが,そのまま合否につながるわけではない。8枚ぐらいでも合格できる内容は表現できる。」というコメントをいただいた。


さらには,文字の大きさや,余白のあけ方によって枚数は変わるので,「枚数」を論ずるよりは,「字数」で論じたほうがよいという面もあり,この問題については,よく話題になるものの,正解というものはないと思っていた。


ところが,それに対する一つの回答というか,参考情報がある。司法試験委員会の会議資料の中に,「考査委員(民事系科目)に対するヒアリング」(http://www.moj.go.jp/SHINGI/SHIHOU/061005-4.pdf)というものがあるが,その4ページに,

解答の分量は,予想では平均で12ページ程度は書くであろう,また,書いてもらわなければ点が入らないというような含みで出題したが実際に採点してみると,8ページ程度のものが大半であった。12ページを上回って書いているものは極めて少なかった。たくさん書けば点がもらえるということではないが,ある程度の分量を書いてなければ,やはり内容にも影響してくる。論述の深み,厚みを失わせる一つの要因として,この枚数の少なさがあったのではないかと思われる。

という記述がある。


私は,今年の新司法試験を解いたときは,4時間の試験で11〜13枚ぐらい書いていた。それに上記のコメントを照らしてみると,なんとなく安心したくなる。しかし,いつも現場で文章をひねり出しているから,コンパクトな記述ができずに,冗長な文章になりがちだと感じているので,もちろん今後もブラッシュアップは必要だ。