Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

四耐終わる

今日で,今年の新司法試験の問題挑戦をひととおり終えた。


最後にやった行政法については,「行政法は,いつもの定期試験でも何書いたらよいかわからんなー,と思っていたが,今回の新司法試験はさらによくわからん」という感想を抱いたものだ。しかし,法学セミナーの座談会を読む限りでは,なんとなく先生方が指摘するキーワードや法律構成を答案に埋め込むことができたし,それほど的を外したものでもなさそうだったので安心した。


全体的に感じるのは,小問1,2などと分かれている場合において,とある議論が小問1にも小問2にもどちらにでも書けそうな場合に,どっちで書くべきかとても迷うことがあることだ。少なくとも,小問1,2を見てから,どちらに何を書くべきかを配分することになるのだが,どちらにも書けそうな場合に迷う。例えば今年の憲法で,(1)原告ならどのような主張をするか,(2)被告はどう主張するか,(3)あなたはどう思うか,というような問題の立て方をされると,(1)(2)で張り切って書きすぎると,(3)で書くことがなくなる。そこまで極端でなくとも,(3)で何を書くかをよく考えた上で(1)(2)を発車させないと,バランスが悪くなりそうだ。


出題者が小問2に書かれることを期待した内容が,小問1に書いてあった場合に,どんな扱いを受けるのかわからない。自分ひとりだけの勘違いであれば,出題者の意図を読みきれない未熟さを恥じればよいのだが,周りで議論してみて,意見が分かれることもよくあるから困る。そのような受験生の迷いは折り込み済みで,適切な展開の中で論じられていれば,小問1,2の配点が柔軟になされるのであればよいのだが。