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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

労働法ゼミで取り上げる判例

労働法ゼミで取り上げられる判例は,ここのところ新聞の社会面でも取り扱われるほどの著名な事件が続く。


1ヶ月ほど前は,http://d.hatena.ne.jp/redips/20060512/1147446630でもとりあげたモルスタの事件だった。


前々回は,トナミ運輸事件。これは,内部告発を行った労働者に対して,会社が報復措置として30年以上も閑職に追いやったという事件。


前回は日亜化学青色LED事件。これはあらためて説明するまでもない事件だが,ちょうど東京地裁の200億円支払命令判決が出たときは,私が本学ロースクール入試の三次試験(面接)を受ける直前であった。面接で,「最近,印象に残った裁判,判決にはどんなものがありますか?」と,未修者を相手に予想外の質問をされたので,この事件の話をしたことを覚えている。あとから先生方に聞いたところによると,半分以上の受験生がこの判決について言及したらしい。


そして次回は,LEC事件。司法試験予備校LECの看板講師で監査役も務めていたI氏が,I塾を立ち上げたことに対して,LECが競業避止義務違反を理由に,予備校営業の差し止めを求めた事件である。


以上の4事件は,確かに世間にはインパクトを与えた事件かもしれないが,おそらく労働法という分野においてはそれほどメインとなる事件ではないように思う。