Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

修習生のレベル

先日書いた,民事裁判実務の科目での「未修者バイアス」は今週も健在であった。


講義の中で,

少し話がそれますが,週末に研究会に出席したら,研修所の教官をやっている裁判官に会いました。今年は,修習生のレベルがさがった,なんて,嘆いてましたよ。
でも,来年は,もっと下がりそうですねえ。だって,未修者が加わりますから。

とおっしゃる。相変わらずのさわやかな口調なので,教室には大きな笑いが起きる。しかし,突っ込みどころは満載だ。


まず,今年の新司法試験の受験者は全員既習者だから,未修者が研修所に入るのは,もう1回先の話である(まあ,正確には来年の終わりごろになるが,そこまで計算して話したわけでもあるまい)。


それに,もし彼の論理の前提となる「未修者のレベルが低い」というのが正しいならば,新司法試験の合格者は既習者で占められるはずで,そもそも研修所には未修者はほとんど入れないはずなのだけれど。