Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

プレテストの読み方・考え方

新司法試験のサンプル問題やプレテストは貴重な情報源となるが,これまでは,(論文問題については)なるべく問題の中身を見ないようにしていた。


というのも,数少ない「本番を想定した問題」であるから,見るからには真剣に望んで,答案を作成し,手ごたえを感じ取りたかったからである。そして,これまでそれをしてこなかったのは,まとまった時間が取りにくかったことと,まだまだこれまでの積み重ねを考えると,時期尚早であると判断してきたからである。


この春休みになって,いくつかの科目について,数名の友人といっしょに時間を決めて答案を作成し,そしてお互いに読み合ったり,出題趣旨を見ながら検討してみた。そこで,とてもたくさんのことを感じ取ることができて,ここには逐一書くことはできないけれど,まあ,それなりにイメージをつかめた。やはり先日書いたように「理解する」と「覚える」を併用しつつ進めていくことが大事なんだろう,と。


そんな折,法学教室の4月号で「新司法試験プレテスト(必須科目)の読み方・考え方」という特集に目を通した。その中で,伊藤眞教授の解説があるが,以下の一節が印象に残った(法学教室No.307, 36頁)。

教員の側についていえば,1年次から3年次までの段階に応じて,この種の文書を学生に起案させ,また,その模範となるべき文書を教員が作成し,学生に示すような努力をしているかどうかが問われることになるでしょう。


これまでの2年間についていえば,我々がこういった文書を起案する機会があったのは,定期試験+一部のレポートぐらいであり,非常に限られている。そして,その中でも,特に1年次は,試験の形式が旧試験に近いような第三者立場で論じさせるものが多く,当事者の立場で書かせるようになったのは2年次の,一部の科目ぐらいだろう。そして,その中でも「模範となるべき文書」を教員から提示された機会は,かなり限られる。


だから,今回,プレテストをやっても,目指すべき模範がはっきりしないから,不安である。まあ,でもその点については,どこの大学のどの学生についても似たり寄ったりだろうから,条件は同じだろう。