Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

自分のことば

答案やレポートの場合は別として,口頭による発言については,できるだけ自分のことばで行うことが重要だと思う。


この点が特に気になるのが,特定の演習科目。先生が,特定のテーマに基づいていくつかの設問を用意し,講義中には原則として,その問いに対する回答を指名された学生が行う形式で行われる。


確かに,設問が用意されていると,予習が進めやすいし,設問に対する解答を準備する過程で,教科書・判例等に線を引いたり,ノートに転記したりすることが多い。ただ,指名されたときに,(引用であることを断らずに)棒読みしてしまうと,教室の雰囲気がよどんでくる。そのような発言を聞いているだけで理解できることは,まずない。用意した原稿を読むだけの心構えしかないと,ちょっと違った角度から質問されたりすると,途端に詰まってしまう。


多少,表現の正確性や,内容に誤りがあったとしても,自分のことばで(言ってみれば日常用語で)説明する人は,比較的わかりやすい。こういう話し方をするのは,比較的年長組に多い。


理解がそうとう深いところまで達しているような場合は別として,リラックスした状況でない限り,自分のことばで説明するのは難しいのだけれど,これって実務上でもとても重要なことだと思う。