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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

おにいちゃん

大人男子にとって「おねえちゃん」という言葉は,「姉」という意味以外に使われることが多いが,3歳ぐらいの男の子にとっての「おにいちゃん」という言葉は,「兄」という意味以外に使われることが多い。


3歳ぐらいの男の子にとって「おにいちゃん」とは,「あかちゃん」と対置される概念で,あかちゃんを卒業し,自分で自分のことができるようになった存在のことをいう。例えば,

  • ひとりで靴下はけるなんて,おにいちゃんだなー
  • おにいちゃんなら,全部食べれるよね

といった使い方をする。あくまで「しつけ」という文脈で登場することが多いから,つみきが上手になった,とか,片足でケンケンできるようになった,という場面では「おにいちゃん」という用語はあまり使われない。保育園でも家でも「おにいちゃん」になることはすばらしいことだ,という意識を植え付け,自分で自分のことができるようになるように誘導する。


さらに,「おにいちゃん」は「大人」と同様に相対的な概念だから,完全な「おにいちゃん」になるためには,多数のハードルをクリアしなければならない。2歳になったばかりであれば,靴下を自分でぬいだだけで「おにいちゃん」になれたのに,3歳になると,自分で履けないと「あかちゃん」に逆戻りする。