法学教室を定期購読しているが,最新号(2005年12月号,No.303)の中に気になる記述があった。
今回の長谷部教授の『Interactive憲法』は飛ばしすぎてるなー,と言うのはまあよいとして,道垣内教授の『民法☆かゆいところ』の末尾には,
あと3回。落ちないようにすることが第一だが,自信はない。 (36頁)
とある。また,佐伯教授の『刑法総論の考え方・楽しみ方』の末尾には,
次回は,未遂犯の予定である(未遂に終わらなければ)。 (48頁)
とある。
確かに日本の法律学を代表する先生方が執筆されており,その多忙さは容易に想像できるのだが,気づいてみると,毎月連載されているわけでもなく,たまに落ちている連載もある。しかし,一般の雑誌でいうと,不定期連載と銘打ってない限り,よほどの事情がない限り連載が落ちるというのはないように思うのだが。
両先生のコメントからすると,もう「あたしは忙しいから,いちおうがんばるけど,来月には原稿が載らないかもしれませんよ,それでも許してね」と言ってるようにみえる。
継続的供給契約において,サプライヤ(自動車部品メーカーなど)が納期を守れず,しかも「また守れないかもしれません」とメーカーや消費者に公言していれば,普通は契約を解除される。そして二度と取引してもらえない。でも,それが法学教室では許されているところをみると,この世界は「先生,玉稿賜りました」という関係なのだろうか。
仮に原稿が落ちたとしても,代原があるわけではないから,結果的に薄い法学教室がわが家に届けられる。世知辛いことを言うと,定期購読している契約者にとっては品質が低下したことに他ならないのだけど。