Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

短答式対策

夏休みの終わりごろから今月の上旬にかけて,細切れではあるが,新司法試験プレテストの択一問題を解いてみた。


これまで現行試験の受験経験がある人たちと異なり,私のような純粋未修者は短答式の勉強をしたことがない。しかも,新司法試験になると科目数が現行の3から7へと一気に拡大するから,「問題自体は簡単になる」なんて言われていたけれど,それをあてにして対策しなくてよいわけはない。


そこで,実際にどれぐらい難しいのか手ごたえをつかんだ上で,学習対策,スケジュールを考えてみよう,と思ってチャレンジしてみた。結果からすると,箸にも棒にもかからないというレベルではなかったが,ボチボチ対策は必要だろう,と。そんな折に法学セミナー11月号(no.611,21頁以下)で「短答式問題学習のポイント」と称する特集が組まれていたので期待して読んでみた。


ところが,内容は私が期待していた「学習のポイント」についてはほとんど触れられていない。例えば,公法系科目については,

短答式においても,「基本的な問題を多数出題する」ことが望まれるところである。

と,締めくくられているように,問題に対する所感,要望が中心である。


刑事系科目については,最後の最後に1パラグラフだけ「学習上のポイントを指摘する」と前置きした上で,アドバイスらしいことが述べられているが,

まず,第一に,正確な知識の習得,第二に,支持する学説の内容・論拠・事例にあてはめた場合の論理的帰結のみならず,他説の内容・論拠・問題点・事例にあてはめた場合の論理的帰結の正確な理解,第三に,基本的かつ重要判例の正確な理解,第四に,実体法と訴訟との関連性を意識した学習,第五に,他の学生との議論を通じた理解の深化<以下略>

となっている。まあ,これではせっかくアドバイスをいただけたことはありがたいものの,実際には何のアドバイスにもなっていない。


こうなると,結局は現行の受験生からのアドバイスを参考に,現行の対策をベースに組み立てることになるだろう。短答式で足切りをくらうなどという悲惨な目にはあいたくないけれど,やはり本丸は論述式だから,バランスを考えながらやってかなければいかないところである(こんなまとめ方ではなんのまとめにもなっていないが)。