前職の社内報の「あの人は今」という企画に登場することになった。
前職は，立ち上げ間もないベンチャー企業であったが，設立から1年半ほど経過し，社員が30人ぐらいになった頃に，「社内報を作ろう」と思い立って，数人のボランティアによって企画したことがある。
社内報といっても，簡単に言えばメールマガジンを媒体としており，オマケとしてグループウェアの簡易的な双方的機能を利用していた。その中で，かつて，「あの人は今」という企画を思いついて，退職してしまった人にコメントをもらって，どんなことをしているのか，というのを紹介するコーナーをはじめることにした。
業界の性格上，人材の入れ替わりは割りと頻繁であるから，退職者もそれなりに多かった。でも，退職する理由は個々人それなりに微妙であるし，退職すぐではつまらないし，消息がつかめないケースもある。喜んでコメントを書いてくれそうな人はそう簡単にいるものでもない。
だから，結局，企画を思いついたものの，実際に登場してもらった人は一人だけだった。先日，「あの人は今」に原稿を書いてくれ，という連絡をもらったのだが，私が退職した後も，本コーナーに登場するのに適当な人はいなかったらしく，私が二番目に登場するらしい。あの当時は，自分で企画したコーナーに自分が登場するとはまったく思いもしなかったが。
本来なら，ちゃんと卒業，合格して，立派に社会に復帰してから気持ちよく書きたいところではあるが，そんな頃にはみんな私のことを忘れてしまっているか，私を知っている読者がいなくなっているだろうから，今のうちに登場できて幸せなのかもしれない。
