Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

法科大学院探訪

「法学セミナー(法セミ)」に法科大学院探訪という連載がある。しばらく前の号に本学の紹介記事が掲載された。


2004年4月から2005年2月まで法セミをとっていたが,毎回この特集を楽しんで読んでいた。なにせ,鳴り物入りで始まったロースクールだが,始まる前から新司法試験の合格率は低いことが予想され,他校での雰囲気などが気になっていたからだ。


連載記事をみると,どこの大学もすばらしく工夫をこらしたカリキュラム,授業で,先生方が誇りを持って指導しておられる様子がうかがえる。そしてまた,新司法試験の合格者,合格率を高めるための施策も検討しているようである。ひるがえって本学は・・・と考えてみると,確かによく考えられた部分もあるけど,これじゃあ,従前のイメージの大学と変わりないような・・という部分もある。


もしかしてうちの大学はハズレか?と思ったりもした。ただ,落ち着いて考えてみれば,あの記事は各ロースクールマーケティングツールとして利用されているわけだから,いってみれば営業トークの連発であることは間違いない。だから,一歩引いた目で見てみれば,どこの大学も大同小異だろうな,と。


そこで,本学の記事を見てみると,意外に良心的,というか先生方は正直に取材に応じている印象を感じる。派手な営業トークもない(細かい点に突っ込みどころは多いが)。だから,客観的に比較すると,とり立てて魅力がないロースクールにも見えてしまう。


決して本学の先生方は受験生へのアピールが不要だと考えているわけではない。先日も,院長先生と話す機会に,やはり優秀な学生に多く応募してもらいたいから,どうやってアピールしていこうか考えているし,現に施策も打っていると話されていた。


考えてみれば,いくら大学の先生といってもマーケティングは畑違いだから,いきなりやろうとすると大変だろうと思う。コンサルティング会社でも,大学は重要な顧客であり,受験生をいかにして集めるか,ということを考えて実践するのは立派なプロジェクトとして成り立つし,現にそういう仕事は存在した。やっぱり大規模私立ロースクールと比べると,本学の場合にはマーケティングは弱いなあ,と感じる。