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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

労働法のナゼ

つまらない疑問だが,労働法で出てくる判例はなぜいつも「xx事件(xxは企業,団体の実名)」で表示されるのだろうか。


確かに憲法でも,「愛媛玉串料訴訟」とか,「砂川事件」といったように事件の通称が用いられることがあり,そのほうが理解,会話をするのにも便利である。労働法の場合,必ず企業の実名が判例の通称になっている。別に固有名詞に特に意味があるわけでもないのに。電電公社(現NTT)や日産自動車などの超有名企業だけでなく,まったく聞いたこともないような中小企業の場合でも実名である。


同じように,会社が出てくる法分野といえば商法があるが,こちらの判例はほとんど会社名が通称で用いられることはない。会社法の分野だって,有名な企業もあれば,まったく無名の零細企業もある。この違いはどこからくるのか。なんとなく,商法学者と労働法学者のイデオロギーというか,こだわりがあるような感じがするのだが。こんど先生に聞いてみよう。